総合メディカルグループ株式会社(本社:東京都千代田区 / 福岡県福岡市、代表取締役社長:多田 荘一郎、以下「総合メディカルグループ」)は、地域のがん患者さんのQOL(生活の質)向上と社会復帰をサポートするため、がん等の高度な薬学管理や医療連携に対応する専門医療機関連携薬局を中心に「アピアランスケア(がん治療に伴う外見の変化のケア)」の取り組みを本格展開いたします。
近年、がんの年間新規罹患者数は約100万人と高い水準で推移しており、5年相対生存率は約65%にも達しています。このような背景から、治療を受けながら地域や職場で生活するがん患者さんが増えており、治療と生活を両立するための支援の重要性が高まっています¹。
なかでも、治療に伴う脱毛や皮膚の変色、爪の障害などの「アピアランス(外見)の変化」は、患者さんのQOL(生活の質)や就労、社会参加に大きな影響を及ぼすことが報告されています。
ある調査では、がん治療に伴う外見の変化を経験した患者さんは全体の58.1%に上り、そのうち40%を超える患者さんが、「人と会うのが億劫になる」「外出の機会が減る」といった日常生活への影響に加え、仕事や学校を辞めたり休んだりするなど、社会生活にも影響を受けたと回答しています²。
また、乳がんの患者さんを対象とした調査では、苦痛度の高い症状の上位20項目のうち、約6割が外見に関連する症状であったことが報告されています³。
厚生労働省は「第4期がん対策推進基本計画」において、「がんとの共生」分野におけるサバイバーシップ支援の一環として、アピアランスケアの体制構築を重要施策に掲げています⁴。
また、インターネット上の外見ケアに関する情報を医療者が評価した調査では、約4割が正確性に乏しいと評価されたことが報告されています⁵。総合メディカルグループに所属するがんに係る専門性を有する薬剤師の経験からも、外見に関する悩みを抱えている患者さんは少なくない一方で、実際に相談へ至るケースは限られていることが課題として認識されています。
国が推進する「がんとの共生」の本質は、患者さんが地域社会の中で共に生きていくことにあります。しかし、アピアランス(外見)の変化や情報の空白などは、社会復帰に向けた大きな心理的ハードルとなっています。
こうした課題の解決に向け、総合メディカルグループは、がん等の高度な薬学管理や医療連携に対応する「専門医療機関連携薬局」を軸に、病院と自宅の間にある「第三の居場所」を創出し、治療と日常の間で揺れ動く気持ちに寄り添う場の提供を目指します。
本取り組みは、同連携薬局のうち4薬局(そうごう薬局 伊勢原店・天神中央店・塩原店・久留米医大前店)より開始し、来期には総合メディカルグループの全ての専門医療機関連携薬局へ、将来的には全薬局へと順次拡大していく予定です。
対象店舗では、以下の3つの柱を軸に、患者さんやご家族への支援、ならびに地域社会への啓発活動に努めてまいります。
本取り組みを実施する薬局には、国立がん研究センター中央病院主催のアピアランスケアe-learning研修を受講した薬剤師や、株式会社ファンケル(以下「ファンケル」)と総合メディカルグループで連携して実施したアピアランスケア研修を修了した薬剤師および薬局事務を配置します。
がんの専門性を有する薬剤師による抗がん剤の副作用マネジメントや服薬指導に加え、ファンケルが長年培った敏感肌研究の知見に基づくスキンケア製品のご案内や、がん治療中のアピアランス(外見)ケアに関する総合情報サイト「Nagomi time」の知見を活用し、副作用による外見の変化に対して、具体的かつ信頼性の高いケアを提供します。
プライバシーに配慮した個室相談スペースを設けるとともに、各薬局で自治体やがん相談支援センター等との連携を推進し、患者さんが安心して相談できる環境を整え、必要な情報を提供します。そのうえで、医療用ウィッグや補整具購入に関する自治体のアピアランスケア助成金等のご案内を行い、行政サービスへスムーズにつなぐハブ(架け橋)としての役割を果たします。
患者さん同士が対話できる「がん対話カフェ」などのイベントを通じて、治療中から治療後までQOL(生活の質)を支え合う地域の居場所を創出します。また、患者さんのご家族や地域住民の方々への啓発活動にも注力します。
本取り組みの一環として、今秋より4薬局にてアピアランスケアに関連するイベントを開催いたします。なお、天神中央店ではファンケル共催のもと、ベースメイクやスキンケアの体験会を実施いたします。
がん治療の進歩に伴い、「社会復帰」や「治療しながらの生活」の質を高めることは、これまで以上に重要な社会的テーマとなっています。私たちは、保険薬局という身近な拠点を活かした「医療と生活の伴走者」として、国が目指す「がんとの共生社会」の実現と、豊かな地域社会の創造に挑み続けます。
さらに総合メディカルグループでは、地域の方々の日常的な健康増進を支援する「健康サポート機能」の強化にも着手しています。薬局事務を対象に、ファンケルの社内教育機関「ファンケル大学」との連携のもと、同社の認定講座「健康アドバイザー養成研修」を2025年6月より開始し、これまでに16名が「健康アドバイザー」として認定されました。今後は店舗での実践と実績を重ねながら、継続的な養成を推進してまいります。
総合メディカルグループは、こうした取り組みを通じて薬局を「病気になった時だけでなく、健康なときも頼れる場所」へと進化させていきます。専門性とコンサルティングスキルを兼ね備えた人財を育成し、一人ひとりに寄り添った予防・未病支援からがんサバイバーシップ支援まで、持続可能な健康支援基盤の確立と地域のウェルビーイング向上に寄与してまいります。
以上
【本件に関するお問い合わせ先】
総合メディカルグループ株式会社 広報グループ
TEL:03-5255-6550 E-mail: koho-ir@sogo-medical.co.jp
【出典資料】
¹ 国立がん研究センター がん情報サービス「最新がん統計」
https://ganjoho.jp/reg_stat/statistics/stat/summary.html
および、「院内がん登録(2014-2015年5年生存率集計)」P.28
https://ganjoho.jp/public/qa_links/report/hosp_c/hosp_c_reg_surv/pdf/hosp_c_reg_surv_all_2014-2015.pdf
²Nozawa K. et al., Glob Health Med., 2023, 5(1):54–61.
https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC9974224/
³「がんと共生の在り方に関する検討会」資料(2019年10月23日) 国立がん研究センター「がん治療に伴う患者の外見変化とその支援について」P.3
https://www.mhlw.go.jp/content/10901000/000559469.pdf
⁴がん対策基本推進計画(令和5年3月)P.44
https://www.mhlw.go.jp/content/10900000/001522768.pdf
⁵高橋 恵理子ら、がん看護、2016、21巻6号、629-634.
https://webview.isho.jp/journal/detail/abs/10.15106/J03022.2017017108